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【二次創作】劇団三年物語「ツクモガミ」 ディーガ.ver
2008 - 12/02 [Tue] - 01:36
横にした丸太に腰掛け、緩い吐息に乗せてディーガは呟いた。
低い天井から照らす照明の白い光に目を細め、遠くで鳴る破砕音に耳を傾け、それよりは遥かに小さいジロの咆哮に満足気に微笑み、風に伝わるその足跡をひとつひとつ数えていく。足跡が消えてしまうと、今度は周りを見渡した。
二度、三度、右、左、右、左、正面、上、正面。
自身の家を背にして、ディーガは不審者を表現するかのように、何度も、何度も何度も、周辺の気配を探した。
人影はない。
足跡もしない。
確認を終えて、ディーガは大きく頷いた。
「これからあたしは独り言をするよ〜」
そんな前置きをして、ディーガは独り言を始めた。
「今日も村は平和だ。北西の更地にねじまき山ができてからこっち、重傷者はなんと零だ。あの山ができてからみんな本当に何かが変わったみたいだよ。まさに、あいつは平和のシンボルさ。一ヶ月と三週間と三日、がんばった甲斐はあったってもんだよ。眺めはあんまり良くないけど、それでもそこに山がある価値はあると思うぜ」
返ってくる言葉はなかった。
周囲に人影はない。
ディーガは気にも留めずに、独り言を続けた。
「今日も村は平和だ。村の守り人が増えたことと、みんなそろってパワーアップしちまったことが、その理由だ。あたしに鈴鈴にジロにタロ、それから…………レグザっ!」
「っ!」
わずかに、本当にわずかに、ディーガの腰掛けている丸太が揺れた。
ディーガは腰の下の異変を気にも留めずに、独り言を続けた。
「今日も村は平和だ。あたしが無茶してがんばらなくても、みんなみんながんばってる。鈴鈴にジロにタロ、それから…………レグザっ!」
「っ!」
「…………レグザっ!」
「っ!」
「…………レグザっ!」
「っ!」
「…………」
「…………」
「…………あっ、レグザ!」
「っっっ!」
丸太の揺れは徐々に大きくなっていったが、ディーガからは不気味に思っている雰囲気は見て取れなかった。むしろ揺れで遊んでいるかのように、とても楽しそうに笑っている。
「あっ、本当にヤキヤキが来るよ」
誰に向けるでもなくそう言って、ディーガはこちらにやってくるヤキヤキに大きく手を振った。ヤキヤキも手を振りながら、ディーガの前まで走ってやってきた。
「こんにちは。ディーガさん」
「こんにちは。回診の帰りかい?」
「まだ二軒残ってます」
「そうなのかい。毎日大変だね〜」
ヤキヤキが引いている大きなボストンバックをのぞき込みながら、ディーガは感嘆の声を漏らした。
「大丈夫です。もう慣れました」
「そうかいそうかい。感心だね〜」
「ディーガさんは…………どうかしたんですか? 家の前で、丸太に座って」
「今日の分は稼いだからね。こうしてぼーっとしてるのさ」
「ディーガさんが? ぼーっと?」
「そうさあ〜。あたしだって、ぼーっとする時はあるさ」
「本当ですか?」
「本当だよ〜」
「……丸太なんて、ありましたっけ?」
「……タロが、取ってきて置いてくれたんだよ」
と、丸太がまた少し揺れた。
ディーガとヤキヤキは、お互いに生暖かい微笑みを浮かべながら、丸太を一瞥した。
「それじゃあ、私はこれで」
「そうかい。引き止めて悪かったね〜」
「今度、ねじ屋に来た時にでも、かくれんぼの結果を教えてくださいね」
「もちろんだよ」
ディーガは大きく手を振ってヤキヤキを見送った。
また一人になったディーガは、丸太を靴のかかとで軽く蹴った。今度は、丸太は揺れなかった。
「知ってるかあ、動いたら、ばれるんだよ。当たり前だけどさ」
「…………」
「もう動いちゃ、駄目だよ」
「…………」
「返事は?」
「…………」
「うん。しちゃ駄目だよ」
丸太のあまりのリアクションの無さに、ディーガは逆に可笑しくて声を殺して笑った。その揺れは、丸太にも伝わっているだろう。
「……あっ、ビエラが来たよ。動いたらスルーなんてしてくれないからね。気をつけるんだよ」
「返事は?」
「…………」
「うん。しちゃ駄目だよ」
ディーガは笑いを噛み殺しながら、ビエラが前を通り過ぎるのを、今度は黙って待った。
「…………」
「…………」
と、ビエラはディーガの前を通り過ぎようとして、急に立ち止まった。
「…………」
「…………」
「…………」
「…………」
ビエラとディーガはしばらく見つめあった後、「こんにちは。ビエラ」ディーガの方から優しく微笑みながら声をかけた。ビエラは上目遣いでディーガを見つめたまま小さくお辞儀をして「こんにちは」と小さな声で挨拶を返した。
「はい。こんにちは」
「……こんにちは。…………ディーガ、さん」
ふっと、ディーガの表情から微笑みが剥がれ落ちた。代わりにその瞳には、もの悲しげな鈍い光が宿っていた。
「……今日は覚えてないんだね」
「…………」
ディーガを見つめたまま首を傾げるビエラに、なんでもないよと首を振って、いつもの調子でもう一度「なんでもないんだよ」と笑った。いつもと同じはずのディーガの笑い声は、低い天井に届く前に、風に巻かれてとけてしまった。
ディーガは誤魔化すように、ビエラの持っている花束を指差して、もう一度大きく笑った。
「ところで、何を持ってるんだい?」
「お花。村の周りに植えてきなさいって、パパンが言ったの」
「パパンはきっと、村を花で囲むつもりなんだろうね〜」
「違うよ」
「おやや? そうなのかい?」
「パパンは、地下都市をぜーんぶ、お花でいっぱいにするんだって、言ってたよ」
「はあ〜、そうなのかい」
感心したようにディーガは何度も頷いた。
花でいっぱいにする。
その行為に、果たして意味は伴うのか。ディーガにはわからなかった。それでも、プラズマッハは、そのどうなるかわからないようなことを、やろうとしていることだけは、事実としてディーガは理解できた。そして、それを一生懸命手伝うビエラを、とても微笑ましく思った。
「ビエラは、花は好きかい?」
「うん。好き」
「パパンは、好きかい?」
「大好き」
「ココチーノは、好きかい?」
「好きだよ」
「そうかいそうかい。それは良かった。それはいいことだ。それはとてもいいことだ。忘れたら駄目だぜ」
「うん」
「ディーガさんと約束だ」
「うん!」
大きく頷いて、ビエラは歩き出した。向かう先は村の南東。今日は、ジロがいる。本人が知ってるか知らないかは別として、とりあえず一人でも大丈夫だろう。
ディーガがビエラの後ろ姿を目で追っていると、突然ビエラは振り返り、大きく手を振りながら、
「またね。ディーガ姉さんっ!」
叫ぶように大きな声を出して、そのまま駆け出して行ってしまった。
小さくなったその背中に、ディーガも大きく手を振りながら、
「転んでもしらないぜっ! 気をつけるんだよっ!」
同じように大きな声を出してビエラを見送った。
「…………」
またまた一人になったディーガは、丸太を靴のかかとで軽く蹴った。丸太は揺れなかった。
「寝てないみたいだね」
「…………」
「とりあえず、ビエラはまだまだ長生きできるみたいで、あたしとしては安心してるぜ。これでも姉妹だからね。知ってるかい? 長生きって、大事なんだぜ?」
「…………」
「ま、今日も平和で良かった良かった」
ディーガは大きく伸びをして、長く長く、ため息をついた。
と、
「ディーガさん」
ディーガを呼ぶ声が、どこからともなくなんてこともなく丸太から、聞こえてきた。
「なんだい?」
「来ましたか?」
「まだだね〜」
「もう、出ても大丈夫ですか?」
「待ちなっ。あたしの予想じゃ、1分42秒後、ここを通るはずさ」
「いっ、1分42秒っ!」
「コンマ、ゼロゼロナナハチ」
「こっ、コンマっ!」
「あたしの時計は正確なのさ。高性能レコーダをなめたら駄目なんだぜ」
「…………」
「とりあえず、あと72秒数えてな。そしたら、来るぜ。お待ちかねが」
「…………」
「…………」
「…………あっ」
「えっ?」
「こらっ、声出しちゃ駄目だぜ」
「来たんですか?」
「こっちに来るぜ」
「…………」
「足取りは鈍いなあ。予想通り、あと30秒でご対面だ」
「…………」
「安心していいぜ。ばらしたりなんて、絶対、絶対、しないから。絶対に絶対、しないから」
小声で言って、ディーガはお待ちかねのお待ちかね、レグザの到着を待った。そして、そのまま通り過ぎようとするレグザに、満面の笑みで声をかけた。
「元気かい? レグザ」
丸太が揺れた。
「…………あっ、ディーガさん」
しかし、レグザの視界には入っていなかったようだ。その足取りとも似た重苦しい声音で、ディーガの呼びかけに応え、足を、止めた。
「おやや? どうしたんだい? ひっどい顔してるじゃないか」
「……タロに、逃げられました」
「うーん。まさに、そんな顔してるぜ」
「…………今日も、逃げられました」
「元気出せよ。そりゃ仕方ないぜ。タロは小型だから、逃げ足は速いし、物陰にだって隠れられる。中身が空洞なら、そこらへんに転がってる大抵のものの中にだって、隠れられちゃいそうだ」
丸太が揺れた。
ディーガは、丸太を靴のかかとで軽く蹴った。
レグザはまったく気付いていないようで、目頭を押さえて、重苦しいため息をついた。
「どうした〜、元気出せよ。そうだ。歌を歌おうぜ」
「歌? ですか?」
「そうだぜ。歌だぜ。お前の歌だ」
「ああっ、……あれっ、ですか」
「いくぜ〜」
「いや、俺は……」
苦笑いを浮かべるレグザを当然のように無視して、ディーガは大きな声で歌の出だしを歌った。
タイトル、右手がドリルのレグザ。作詞、ディーガ。リズム参考、赤鼻のトナカイ。
「右手がドっリっルの〜、レっグザくっんは〜。はいっ」
強引に促され、レグザは渋々続きを歌った。
「いっつもみんなのー、わらいものー」
「でもっ、そのっとっしの〜、クリスマスのっ日〜。はい」
「プラズマッハさんはー、言いましたー」
「硬い岩だなぁ。カチカチだぁ。お前のう、で、で、砕いておくれ〜」
「いっつも泣いてたー。レっグザくんはー」
「今宵こそはと〜、よろこびました〜。いえい」
「…………」
満面の笑みでVサインを送るディーガに、レグザは苦笑いをさらに苦くして返した。
「……俺の価値って、ドリルですか」
「そうだぜ」
「そうなんですかっ!」
「元気出せよ〜。事実だ〜」
「事実って……」
「そりゃ仕方ないぜ。ナレノハテとの戦闘じゃ、タロとジロに劣るとも優らないあんたじゃ、今のところ一番良いイメージは、ドリルだ。ほら、山を作る時、大活躍だったじゃないか。草花を植えてもすぐ枯れる。草花に栄養と光を送る配管を地中に埋めなきゃならない。適当に砂と岩を積んだもんだから、硬い岩があって作業は難航してたんだ。そこに、あんたがドリルの腕をぎらつかせてやって来て、タロに襲い掛かった。で、みんな思い出したんだ。あんたの右手のドリルでも壊せるし、左手の爪でも岩を切断できるってことにな。あんたがいなきゃ、山はできなかった。本当に、みんな感謝してるんだぜ。だから、元気出せよ。山に笑われるぜ」
「はあ、わかりました」
気の抜けた返事を返すレグザ。背中はどんどん丸まっていく。とうとうドリルの先は地面に付いてしまい、このままにしていたら地面に絵を描き出しそうだった。そんな情けない姿を見るに見かねて、ディーガは切り札を切ることにした。
「タロの居場所、教えてやってもいいんだぜ?」
「本当かっ!」
「っ!」
がばっと、ドリルの右手でディーガの肩を掴もうとして、できなくて、手を添えるだけになってしまったレグザ。ジタバタと、暴れる丸太。
「教えろっ! 教えてくれっ!」
「っっっ!」
添えるだけでもディーガを揺するレグザ。体勢を間違えて抜けなくなってしまったのか、暴れ続ける丸太。
その空気の中心で、ディーガはニタリと笑みを浮かべた。
「頼むっ! 教えてくれっ! ディーガっ!」
「さん、だぜ」
「……えっ?」
「ディーガ、さん、だぜ?」
「……すみません。ディーガさん」
「いいんだぜ」
レグザはディーガの肩から右手を離した。丸太も空気の変化を感じ取ったのか、暴れるのをやめた。
ゆったりと、もったいぶるような動作で、ディーガは小さくため息をつくと、シニカルに微笑んでみせた。
「わかってるとは思うけど、知りたいことがあるなら、まず教えてくれなきゃ駄目だぜ」
「わかってる」
「じゃあ、今日もネタを教えてもらうぜ。希少価値と鮮度が高ければ高いほど、知れることの価値も上がるぜ」
「まかせろ」
言って、レグザももったいぶるように咳払いをして、乱れてもいない喉の調子を整えた。
「……最近、村の周りに花が咲いてるだろう。あれは、ジロが植えてるんだ」
「ジロが?」
「そうだ。村の周りに、それまでなかった花が咲いている。見回すと、ジロがナレノハテと戦っている。つまり、奴はその日に倒したナレノハテの数だけ、花を植えているんだ。昨日も一昨日もそうだった。きっと、今日もそうに違いない」
「そうか。なるほどだぜ」
「さあ、俺は教えたぞ。だから、教えてくれ。タロはっ、タロはっ!」
レグザの台詞の先を押さえるように、ディーガは正面の道を指差した。
「この方向にまっすぐ行け。そうすると山がある。ねじまき山とは違う山だ。タロは、そこでジロに渡す花を摘んでるんだぜ」
「山か! 花か! ジロかっ! わかった。ありがとうっ、ディーガさんっ!」
右手のドリルを大きく振りかざしながら、レグザはあっというまに姿を消した。その光景を何度も頭の中でリピート再生しながら、ディーガは楽しそうに含み笑いを繰り返していた。
一通り繰り返して満足したところで、ディーガは小さくため息をついた。
「ま、今日の収穫は、ビエラの安全が絶対だってわかっただけで、よしとしよう。うん」
「なんで、嘘ついたんですか?」
丸太は久方ぶりに口を開いた。
「なんだい? ホントのこと言っても良かったのかい?」
「それは、困ります」
「そうだろ? あたしも困る。それじゃあ、つまんないぜ」
「つまんない?」
「そうだぜ。知ってるかい? 鬼ごっこは捕まったら終わっちゃうんだぜ?」
「…………」
黙る丸太に、ディーガはシニカルに笑った。たとえ見えなくても、雰囲気を感じ取るものは目だけではないはずだ。
「ホント、みんな面白いぜ〜」
「これからも、僕達で遊ぶんですね……」
「ちょっと違うぜ。あたしも混ざって一緒に遊ぶんだ。ただし、楽しいのはあたしだけだけど」
「…………」
「やっぱり黙ったぜ」
「……えっ?」
「これが、傾向と対策だぜ」
「傾向と対策?」
「何を考えながら何を思うのか、その時、周りには何があるのか。あたしが楽しむ為に、あたしはどこで何をして待っていればいいのか。その中で、確率の高いものから順番に対策、つまりは行動を当てはめていくんだ。そうやって、あたしは今まで生きてきたんだぜ」
「……すごい、ですね」
「記憶力には自信があるんだぜ。高性能レコーダをなめたら駄目なんだぜ」
ディーガは笑う。
その音色に、世界への感謝を込めて。
その微笑に、人々への感謝を込めて。
ディーガは笑う。
笑うために笑う。
人間は、笑う為に産まれるのだから。
自分は、笑わせる為に生まれてきたのだから。
そのために、ディーガは、笑う。
笑う。
「それじゃ、とっとと帰るんだ。レグザは一週間以上戻って来ないはずさ。約束は、守ったぜ」
「ありがとう、ございます」
「とんでもない。こっちこそ、いいネタもらっちゃって、逆に申し訳ないぜ」
「…………」
「まさか、……がな〜。へえ〜。ふ〜ん。……がね〜。意外だったぜ」
「…………」
「がんばって、自分なりの傾向と対策を見つけるんだぜ。そうすりゃ、レグザだってこわくないさ」
そんな捨て台詞を丸太に残して、ディーガは家の中に入った。
「…………」
外の様子を窺いながら、忍び足で部屋の奥へ、さらに奥へ。下に降りる階段を使って地下室へ。扉を開けると、そこには大きなディスプレイが一つ中央に置かれていた。ディスプレイには、遠くの山の稜線に沈んでいく夕日が映し出されている。
「おっと、早いね。もう準備できたのかい?」
起動しているディスプレイを見て、ディーガは少し驚いたように声を出した。すると、ディスプレイからも、声が聞こえた。懐かしくて、よく覚えている声だった。
「あんたは、いつも時簡に正確だね。結構なことだ」
「そっちはどうだい?」
「ヴァルオと二人でよろしくやってるよ」
「そうか。それは良かった。せっかく虎の子の切り札で故郷に送ってやったんだ。たっぷり余生を楽しんでくれよ」
「感謝してるよ。みんなはどうだ? 元気にしてるのかい?」
「元気だぜ。それに、みんな変わった。金にもならないことを始めてる」
「そうなのかい」
「ああ、まるで人間みたいだぜ」
「はははっ、そりゃいいね。傑作だ。あんたが言うんだから、間違いないんだろうね」
「毎日、楽しくって、しょうがないぜ」
「まあ、皆が健やかであれば、それでいいよ」
「そっちも息災に過ごしててくれれば、安心だぜ」
「そうだね。長生きは、大事だからね」
「うん。じゃあ、また。定期連絡だけは、忘れちゃ駄目だぜ。もし忘れたら、別の星だろうと、みんなを連れてすぐに飛んでくぜ」
「なら、一度だけ忘れてみるのもいいかもしれないね」
「ただし、一度だけだぜ」
ディーガは笑った。
ディスプレイに浮かぶ、懐かしい面影に向けて。
今日もよく笑った。
明日もよく笑うだろう。
日々が続くだけ、笑えればいい。
明日が続くだけ、笑えればいい。
「ああ、すばらしきこのせかい、かな」
世界は、面白い。
【ディーガ.ver END】
---------------- キリトリセン ----------------
本編は、劇団三年物語シーズン2 第2回公演「ツクモガミ」の二次創作です。
読み終えた後、「三年物語」に少しでも興味を抱けて頂けたら、幸いです。
以下、リンクです。
■ 劇団三年物語さま
感想などありましたら、【一言版】にお願い致します。
【二次創作】劇団三年物語 【目次】へ
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劇団三年物語「ツクモガミ」 ディーガ.ver
(本編↓)
---------------- キリトリセン ----------------
横にした丸太に腰掛け、緩い吐息に乗せてディーガは呟いた。
低い天井から照らす照明の白い光に目を細め、遠くで鳴る破砕音に耳を傾け、それよりは遥かに小さいジロの咆哮に満足気に微笑み、風に伝わるその足跡をひとつひとつ数えていく。足跡が消えてしまうと、今度は周りを見渡した。
二度、三度、右、左、右、左、正面、上、正面。
自身の家を背にして、ディーガは不審者を表現するかのように、何度も、何度も何度も、周辺の気配を探した。
人影はない。
足跡もしない。
確認を終えて、ディーガは大きく頷いた。
「これからあたしは独り言をするよ〜」
そんな前置きをして、ディーガは独り言を始めた。
「今日も村は平和だ。北西の更地にねじまき山ができてからこっち、重傷者はなんと零だ。あの山ができてからみんな本当に何かが変わったみたいだよ。まさに、あいつは平和のシンボルさ。一ヶ月と三週間と三日、がんばった甲斐はあったってもんだよ。眺めはあんまり良くないけど、それでもそこに山がある価値はあると思うぜ」
返ってくる言葉はなかった。
周囲に人影はない。
ディーガは気にも留めずに、独り言を続けた。
「今日も村は平和だ。村の守り人が増えたことと、みんなそろってパワーアップしちまったことが、その理由だ。あたしに鈴鈴にジロにタロ、それから…………レグザっ!」
「っ!」
わずかに、本当にわずかに、ディーガの腰掛けている丸太が揺れた。
ディーガは腰の下の異変を気にも留めずに、独り言を続けた。
「今日も村は平和だ。あたしが無茶してがんばらなくても、みんなみんながんばってる。鈴鈴にジロにタロ、それから…………レグザっ!」
「っ!」
「…………レグザっ!」
「っ!」
「…………レグザっ!」
「っ!」
「…………」
「…………」
「…………あっ、レグザ!」
「っっっ!」
丸太の揺れは徐々に大きくなっていったが、ディーガからは不気味に思っている雰囲気は見て取れなかった。むしろ揺れで遊んでいるかのように、とても楽しそうに笑っている。
「あっ、本当にヤキヤキが来るよ」
誰に向けるでもなくそう言って、ディーガはこちらにやってくるヤキヤキに大きく手を振った。ヤキヤキも手を振りながら、ディーガの前まで走ってやってきた。
「こんにちは。ディーガさん」
「こんにちは。回診の帰りかい?」
「まだ二軒残ってます」
「そうなのかい。毎日大変だね〜」
ヤキヤキが引いている大きなボストンバックをのぞき込みながら、ディーガは感嘆の声を漏らした。
「大丈夫です。もう慣れました」
「そうかいそうかい。感心だね〜」
「ディーガさんは…………どうかしたんですか? 家の前で、丸太に座って」
「今日の分は稼いだからね。こうしてぼーっとしてるのさ」
「ディーガさんが? ぼーっと?」
「そうさあ〜。あたしだって、ぼーっとする時はあるさ」
「本当ですか?」
「本当だよ〜」
「……丸太なんて、ありましたっけ?」
「……タロが、取ってきて置いてくれたんだよ」
と、丸太がまた少し揺れた。
ディーガとヤキヤキは、お互いに生暖かい微笑みを浮かべながら、丸太を一瞥した。
「それじゃあ、私はこれで」
「そうかい。引き止めて悪かったね〜」
「今度、ねじ屋に来た時にでも、かくれんぼの結果を教えてくださいね」
「もちろんだよ」
ディーガは大きく手を振ってヤキヤキを見送った。
また一人になったディーガは、丸太を靴のかかとで軽く蹴った。今度は、丸太は揺れなかった。
「知ってるかあ、動いたら、ばれるんだよ。当たり前だけどさ」
「…………」
「もう動いちゃ、駄目だよ」
「…………」
「返事は?」
「…………」
「うん。しちゃ駄目だよ」
丸太のあまりのリアクションの無さに、ディーガは逆に可笑しくて声を殺して笑った。その揺れは、丸太にも伝わっているだろう。
「……あっ、ビエラが来たよ。動いたらスルーなんてしてくれないからね。気をつけるんだよ」
「返事は?」
「…………」
「うん。しちゃ駄目だよ」
ディーガは笑いを噛み殺しながら、ビエラが前を通り過ぎるのを、今度は黙って待った。
「…………」
「…………」
と、ビエラはディーガの前を通り過ぎようとして、急に立ち止まった。
「…………」
「…………」
「…………」
「…………」
ビエラとディーガはしばらく見つめあった後、「こんにちは。ビエラ」ディーガの方から優しく微笑みながら声をかけた。ビエラは上目遣いでディーガを見つめたまま小さくお辞儀をして「こんにちは」と小さな声で挨拶を返した。
「はい。こんにちは」
「……こんにちは。…………ディーガ、さん」
ふっと、ディーガの表情から微笑みが剥がれ落ちた。代わりにその瞳には、もの悲しげな鈍い光が宿っていた。
「……今日は覚えてないんだね」
「…………」
ディーガを見つめたまま首を傾げるビエラに、なんでもないよと首を振って、いつもの調子でもう一度「なんでもないんだよ」と笑った。いつもと同じはずのディーガの笑い声は、低い天井に届く前に、風に巻かれてとけてしまった。
ディーガは誤魔化すように、ビエラの持っている花束を指差して、もう一度大きく笑った。
「ところで、何を持ってるんだい?」
「お花。村の周りに植えてきなさいって、パパンが言ったの」
「パパンはきっと、村を花で囲むつもりなんだろうね〜」
「違うよ」
「おやや? そうなのかい?」
「パパンは、地下都市をぜーんぶ、お花でいっぱいにするんだって、言ってたよ」
「はあ〜、そうなのかい」
感心したようにディーガは何度も頷いた。
花でいっぱいにする。
その行為に、果たして意味は伴うのか。ディーガにはわからなかった。それでも、プラズマッハは、そのどうなるかわからないようなことを、やろうとしていることだけは、事実としてディーガは理解できた。そして、それを一生懸命手伝うビエラを、とても微笑ましく思った。
「ビエラは、花は好きかい?」
「うん。好き」
「パパンは、好きかい?」
「大好き」
「ココチーノは、好きかい?」
「好きだよ」
「そうかいそうかい。それは良かった。それはいいことだ。それはとてもいいことだ。忘れたら駄目だぜ」
「うん」
「ディーガさんと約束だ」
「うん!」
大きく頷いて、ビエラは歩き出した。向かう先は村の南東。今日は、ジロがいる。本人が知ってるか知らないかは別として、とりあえず一人でも大丈夫だろう。
ディーガがビエラの後ろ姿を目で追っていると、突然ビエラは振り返り、大きく手を振りながら、
「またね。ディーガ姉さんっ!」
叫ぶように大きな声を出して、そのまま駆け出して行ってしまった。
小さくなったその背中に、ディーガも大きく手を振りながら、
「転んでもしらないぜっ! 気をつけるんだよっ!」
同じように大きな声を出してビエラを見送った。
「…………」
またまた一人になったディーガは、丸太を靴のかかとで軽く蹴った。丸太は揺れなかった。
「寝てないみたいだね」
「…………」
「とりあえず、ビエラはまだまだ長生きできるみたいで、あたしとしては安心してるぜ。これでも姉妹だからね。知ってるかい? 長生きって、大事なんだぜ?」
「…………」
「ま、今日も平和で良かった良かった」
ディーガは大きく伸びをして、長く長く、ため息をついた。
と、
「ディーガさん」
ディーガを呼ぶ声が、どこからともなくなんてこともなく丸太から、聞こえてきた。
「なんだい?」
「来ましたか?」
「まだだね〜」
「もう、出ても大丈夫ですか?」
「待ちなっ。あたしの予想じゃ、1分42秒後、ここを通るはずさ」
「いっ、1分42秒っ!」
「コンマ、ゼロゼロナナハチ」
「こっ、コンマっ!」
「あたしの時計は正確なのさ。高性能レコーダをなめたら駄目なんだぜ」
「…………」
「とりあえず、あと72秒数えてな。そしたら、来るぜ。お待ちかねが」
「…………」
「…………」
「…………あっ」
「えっ?」
「こらっ、声出しちゃ駄目だぜ」
「来たんですか?」
「こっちに来るぜ」
「…………」
「足取りは鈍いなあ。予想通り、あと30秒でご対面だ」
「…………」
「安心していいぜ。ばらしたりなんて、絶対、絶対、しないから。絶対に絶対、しないから」
小声で言って、ディーガはお待ちかねのお待ちかね、レグザの到着を待った。そして、そのまま通り過ぎようとするレグザに、満面の笑みで声をかけた。
「元気かい? レグザ」
丸太が揺れた。
「…………あっ、ディーガさん」
しかし、レグザの視界には入っていなかったようだ。その足取りとも似た重苦しい声音で、ディーガの呼びかけに応え、足を、止めた。
「おやや? どうしたんだい? ひっどい顔してるじゃないか」
「……タロに、逃げられました」
「うーん。まさに、そんな顔してるぜ」
「…………今日も、逃げられました」
「元気出せよ。そりゃ仕方ないぜ。タロは小型だから、逃げ足は速いし、物陰にだって隠れられる。中身が空洞なら、そこらへんに転がってる大抵のものの中にだって、隠れられちゃいそうだ」
丸太が揺れた。
ディーガは、丸太を靴のかかとで軽く蹴った。
レグザはまったく気付いていないようで、目頭を押さえて、重苦しいため息をついた。
「どうした〜、元気出せよ。そうだ。歌を歌おうぜ」
「歌? ですか?」
「そうだぜ。歌だぜ。お前の歌だ」
「ああっ、……あれっ、ですか」
「いくぜ〜」
「いや、俺は……」
苦笑いを浮かべるレグザを当然のように無視して、ディーガは大きな声で歌の出だしを歌った。
タイトル、右手がドリルのレグザ。作詞、ディーガ。リズム参考、赤鼻のトナカイ。
「右手がドっリっルの〜、レっグザくっんは〜。はいっ」
強引に促され、レグザは渋々続きを歌った。
「いっつもみんなのー、わらいものー」
「でもっ、そのっとっしの〜、クリスマスのっ日〜。はい」
「プラズマッハさんはー、言いましたー」
「硬い岩だなぁ。カチカチだぁ。お前のう、で、で、砕いておくれ〜」
「いっつも泣いてたー。レっグザくんはー」
「今宵こそはと〜、よろこびました〜。いえい」
「…………」
満面の笑みでVサインを送るディーガに、レグザは苦笑いをさらに苦くして返した。
「……俺の価値って、ドリルですか」
「そうだぜ」
「そうなんですかっ!」
「元気出せよ〜。事実だ〜」
「事実って……」
「そりゃ仕方ないぜ。ナレノハテとの戦闘じゃ、タロとジロに劣るとも優らないあんたじゃ、今のところ一番良いイメージは、ドリルだ。ほら、山を作る時、大活躍だったじゃないか。草花を植えてもすぐ枯れる。草花に栄養と光を送る配管を地中に埋めなきゃならない。適当に砂と岩を積んだもんだから、硬い岩があって作業は難航してたんだ。そこに、あんたがドリルの腕をぎらつかせてやって来て、タロに襲い掛かった。で、みんな思い出したんだ。あんたの右手のドリルでも壊せるし、左手の爪でも岩を切断できるってことにな。あんたがいなきゃ、山はできなかった。本当に、みんな感謝してるんだぜ。だから、元気出せよ。山に笑われるぜ」
「はあ、わかりました」
気の抜けた返事を返すレグザ。背中はどんどん丸まっていく。とうとうドリルの先は地面に付いてしまい、このままにしていたら地面に絵を描き出しそうだった。そんな情けない姿を見るに見かねて、ディーガは切り札を切ることにした。
「タロの居場所、教えてやってもいいんだぜ?」
「本当かっ!」
「っ!」
がばっと、ドリルの右手でディーガの肩を掴もうとして、できなくて、手を添えるだけになってしまったレグザ。ジタバタと、暴れる丸太。
「教えろっ! 教えてくれっ!」
「っっっ!」
添えるだけでもディーガを揺するレグザ。体勢を間違えて抜けなくなってしまったのか、暴れ続ける丸太。
その空気の中心で、ディーガはニタリと笑みを浮かべた。
「頼むっ! 教えてくれっ! ディーガっ!」
「さん、だぜ」
「……えっ?」
「ディーガ、さん、だぜ?」
「……すみません。ディーガさん」
「いいんだぜ」
レグザはディーガの肩から右手を離した。丸太も空気の変化を感じ取ったのか、暴れるのをやめた。
ゆったりと、もったいぶるような動作で、ディーガは小さくため息をつくと、シニカルに微笑んでみせた。
「わかってるとは思うけど、知りたいことがあるなら、まず教えてくれなきゃ駄目だぜ」
「わかってる」
「じゃあ、今日もネタを教えてもらうぜ。希少価値と鮮度が高ければ高いほど、知れることの価値も上がるぜ」
「まかせろ」
言って、レグザももったいぶるように咳払いをして、乱れてもいない喉の調子を整えた。
「……最近、村の周りに花が咲いてるだろう。あれは、ジロが植えてるんだ」
「ジロが?」
「そうだ。村の周りに、それまでなかった花が咲いている。見回すと、ジロがナレノハテと戦っている。つまり、奴はその日に倒したナレノハテの数だけ、花を植えているんだ。昨日も一昨日もそうだった。きっと、今日もそうに違いない」
「そうか。なるほどだぜ」
「さあ、俺は教えたぞ。だから、教えてくれ。タロはっ、タロはっ!」
レグザの台詞の先を押さえるように、ディーガは正面の道を指差した。
「この方向にまっすぐ行け。そうすると山がある。ねじまき山とは違う山だ。タロは、そこでジロに渡す花を摘んでるんだぜ」
「山か! 花か! ジロかっ! わかった。ありがとうっ、ディーガさんっ!」
右手のドリルを大きく振りかざしながら、レグザはあっというまに姿を消した。その光景を何度も頭の中でリピート再生しながら、ディーガは楽しそうに含み笑いを繰り返していた。
一通り繰り返して満足したところで、ディーガは小さくため息をついた。
「ま、今日の収穫は、ビエラの安全が絶対だってわかっただけで、よしとしよう。うん」
「なんで、嘘ついたんですか?」
丸太は久方ぶりに口を開いた。
「なんだい? ホントのこと言っても良かったのかい?」
「それは、困ります」
「そうだろ? あたしも困る。それじゃあ、つまんないぜ」
「つまんない?」
「そうだぜ。知ってるかい? 鬼ごっこは捕まったら終わっちゃうんだぜ?」
「…………」
黙る丸太に、ディーガはシニカルに笑った。たとえ見えなくても、雰囲気を感じ取るものは目だけではないはずだ。
「ホント、みんな面白いぜ〜」
「これからも、僕達で遊ぶんですね……」
「ちょっと違うぜ。あたしも混ざって一緒に遊ぶんだ。ただし、楽しいのはあたしだけだけど」
「…………」
「やっぱり黙ったぜ」
「……えっ?」
「これが、傾向と対策だぜ」
「傾向と対策?」
「何を考えながら何を思うのか、その時、周りには何があるのか。あたしが楽しむ為に、あたしはどこで何をして待っていればいいのか。その中で、確率の高いものから順番に対策、つまりは行動を当てはめていくんだ。そうやって、あたしは今まで生きてきたんだぜ」
「……すごい、ですね」
「記憶力には自信があるんだぜ。高性能レコーダをなめたら駄目なんだぜ」
ディーガは笑う。
その音色に、世界への感謝を込めて。
その微笑に、人々への感謝を込めて。
ディーガは笑う。
笑うために笑う。
人間は、笑う為に産まれるのだから。
自分は、笑わせる為に生まれてきたのだから。
そのために、ディーガは、笑う。
笑う。
「それじゃ、とっとと帰るんだ。レグザは一週間以上戻って来ないはずさ。約束は、守ったぜ」
「ありがとう、ございます」
「とんでもない。こっちこそ、いいネタもらっちゃって、逆に申し訳ないぜ」
「…………」
「まさか、……がな〜。へえ〜。ふ〜ん。……がね〜。意外だったぜ」
「…………」
「がんばって、自分なりの傾向と対策を見つけるんだぜ。そうすりゃ、レグザだってこわくないさ」
そんな捨て台詞を丸太に残して、ディーガは家の中に入った。
「…………」
外の様子を窺いながら、忍び足で部屋の奥へ、さらに奥へ。下に降りる階段を使って地下室へ。扉を開けると、そこには大きなディスプレイが一つ中央に置かれていた。ディスプレイには、遠くの山の稜線に沈んでいく夕日が映し出されている。
「おっと、早いね。もう準備できたのかい?」
起動しているディスプレイを見て、ディーガは少し驚いたように声を出した。すると、ディスプレイからも、声が聞こえた。懐かしくて、よく覚えている声だった。
「あんたは、いつも時簡に正確だね。結構なことだ」
「そっちはどうだい?」
「ヴァルオと二人でよろしくやってるよ」
「そうか。それは良かった。せっかく虎の子の切り札で故郷に送ってやったんだ。たっぷり余生を楽しんでくれよ」
「感謝してるよ。みんなはどうだ? 元気にしてるのかい?」
「元気だぜ。それに、みんな変わった。金にもならないことを始めてる」
「そうなのかい」
「ああ、まるで人間みたいだぜ」
「はははっ、そりゃいいね。傑作だ。あんたが言うんだから、間違いないんだろうね」
「毎日、楽しくって、しょうがないぜ」
「まあ、皆が健やかであれば、それでいいよ」
「そっちも息災に過ごしててくれれば、安心だぜ」
「そうだね。長生きは、大事だからね」
「うん。じゃあ、また。定期連絡だけは、忘れちゃ駄目だぜ。もし忘れたら、別の星だろうと、みんなを連れてすぐに飛んでくぜ」
「なら、一度だけ忘れてみるのもいいかもしれないね」
「ただし、一度だけだぜ」
ディーガは笑った。
ディスプレイに浮かぶ、懐かしい面影に向けて。
今日もよく笑った。
明日もよく笑うだろう。
日々が続くだけ、笑えればいい。
明日が続くだけ、笑えればいい。
「ああ、すばらしきこのせかい、かな」
世界は、面白い。
【ディーガ.ver END】
---------------- キリトリセン ----------------
本編は、劇団三年物語シーズン2 第2回公演「ツクモガミ」の二次創作です。
読み終えた後、「三年物語」に少しでも興味を抱けて頂けたら、幸いです。
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■ 劇団三年物語さま
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